株式会社MBR



事業内容

【SMP-105(BCG-CWS)の作用機序】

【1】免疫監視機構による「病原微生物の排除」と「腫瘍細胞の排除」


(1)病原微生物の排除

   抗原特異的CTLの活性化には2つのシグナルが必要 

感染防御において抗原特異的リンパ球の活性化するには2つのシグナルが必要です。病原微生物の持つ抗原それ自身が「第1シグナル」であり、病原微生物特有の共通構造は樹状細胞膜上のTLRによりパターン認識され 「第2シグナル」として働きます。この病原微生物の侵入に対する自然免疫応答の結果、活性化された樹状細胞はその膜表面に第1シグナルとして抗原を提示し(抗原提示細胞)、 同時に、第2シグナルとしてコスティミュレーターcostimulatorを発現します。この2つのシグナルがナイーブT細胞上のレセプターと相互作用することにより、 ナイーブT細胞は適応免疫応答の主要なエフェクター細胞である病原微生物特異的CTLに分化増殖し、微生物やその感染細胞を排除します。




    感染予防ワクチンでは病原微生物抗原が第1シグナル、アジュバントが第2シグナル  

ワクチン予防接種からわかるように、適応免疫応答は微生物の存在なしに抗原により誘導されます。 その場合、抗原(第1シグナル)は必ず、自然免疫反応で微生物が果たしているのと同じ役割を果たすアジュバントと呼ばれる物質(第2シグナル)とともに投与されなければならないということはよく知られたことです。 BCG-CWSは最も強力なアジュバントと言われているFreund’s Complete Adjuvantの活性成分です。



(2)腫瘍細胞の排除

腫瘍に対する特異的CTLの誘導の機序は次のように考えられます。

樹状細胞は腫瘍細胞あるいは腫瘍細胞抗原を捕捉して、宿主の抗原提示細胞上に腫瘍抗原を提示することができますが(第1シグナル)、 腫瘍細胞は自己細胞由来であるため通常は第2シグナルであるコスティミュレーターを発現していません(微生物が持つような特有の共通構造を持っていないためTLRにより認識されません)。 第2シグナルなしに第1シグナルである抗原を認識したナイーブT細胞は無応答状態になりCTLに分化増殖しません。 これはアナジーと呼ばれる状態であり、自己抗原に対する免疫反応を防ぐために必要かつ重要な機能ですが、逆に生体が腫瘍細胞を排除できないのはこのためと考えられます。ここにがん免疫療法が成功するかどうかの一つの鍵が隠されているように思われます。




    がんワクチンではがん抗原が第1シグナル、アジュバントが第2シグナル  

腫瘍拒絶の免疫機構における第2シグナルについては、 感染予防接種においてアジュバントの投与で適応免疫を誘導できることから容易に想像できるように、アジュバントであるBCG-CWSの投与で樹状細胞に2シグナルのコスティミュレーターを発現することが出来ると考えられます。 つまりヒトに備わった免疫監視機構による微生物の排除と同様の機構により、腫瘍細胞の排除もできると考えられます。



このようにBCG-CWS療法の効果はこれまで考えられてきたような非特異的免疫反応の結果ではなく、がん抗原特異的免疫反応の結果としての効果であるとすれば、 これまでのBCG-CWSの臨床研究において劇的な効果を示すことがあるのもうなずけます。



【2】第一シグナル(がん抗原)と第二シグナル(BCG-CWS)の出会い

  二つのシグナルの効果的な出会いが治療の鍵を握る

がん免疫療法においては患者自身の腫瘍に対する特異的免疫応答を効果的に誘導できるように治療をデザインすることが最も重要と考えられます。第一シグナルとして期待できるがん抗原としては以下のものが有望です。

(1)がんタンパク質抗原、がんペプチド抗原
がん抗原やがんペプチド抗原の研究は精力的に進められています。

(2)自家がんワクチン
手術時に摘出した患者自身のがん組織を免疫刺激剤で処理しがん抗原として患者本人に注射する治療は、多くのがん免疫療法クリニックで行われています。

⇒いずれも第2シグナルを提供する最強のアジュバントBCG-CWSとともに患者に投 与することは理にかなっています。

(3)BCG-CWS投与部位近傍のリンパ節の転移がん細胞
これまでのBCG-CWSの臨床研究の結果から、患者自身の転移したがん細胞そのものが第一シグナルとして働いている可能性が強く示唆されています。

その他に、現在多くの医療施設で試みられているがん抗原刺激樹状細胞によるがんワクチン療法にもBCG-CWSは樹状細胞の活性化のためのアジュバント試薬として利用できると考えられます。





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