株式会社MBR



事業内容

【がん免疫療法剤SMP-105(BCG-CWS)】

(1)SMP-105とBCG-CWS

 
BCG-CWSは、BCG(Mycobacterium bovis Bacillus Calmette-Guerin)の細胞壁骨格成分(Cell Wall Skeleton)で、水や有機溶剤に不溶の取り扱い難い高分子物質であり、現在まで医薬品として一定の品質を有する安定な製剤を製造することが困難でした。これがこれまで医薬品としての承認を取得するに至っていない大きな理由の一つです。当社はこの問題を克服し、安定かつ一定規格の原薬(SMP-105)、製剤(SMP-105注)の製造技術を保有しています。




(2)がん治療の現状と課題

 現在、「がん」と診断された人の約半数は完治することができません。その多くは「がん難民」への道を辿ります。近年、副作用の少ない抗がん剤が開発され、QOLの改善や生存期間の延長が見られ、「がん治療」は確かに進歩しています。しかし、「治癒」という観点に立つと、この30年間、「がん」患者の約半数が治らないという状況はほとんど変わっていません。国民の1/3が「がん」で死亡する今、真に求められている「がん治療」の進歩は「治ること」(治癒率の向上)です。


    目指すのは「延命」ではなく「治ること」です

 現在の「がん治療」において「治癒」が得られない理由は、既存の治療法だけでは「total cell kill(がん細胞の根絶)」が達成できないことにあります。手術や放射線療法は目に見える「がん」に対しては極めて有効ですが、視覚的に確認できない「微小転移」に対しては無力です。また、化学療法の場合も、著効を示したとしても少数の薬が効かない「がん細胞」(耐性細胞)が残り、再発の原因になります。

 抗がん剤に比べるとはるかに切れ味の良い抗感染症薬でさえ、高齢者やAIDSなどの免疫力の低下した患者では治癒を得ることが難しいことがよく知られています。これは、感染症の場合でさえも「治癒」は「薬の力」と「体の力(免疫力)」との共同作用によっていることを示しています。

 「がん」の場合、現在でも「がん」と診断された患者の半数は既存の治療法だけで治ります。それでは、治る患者さんでは既存の治療法だけで「total cell kill」が得られたのでしょうか。株式会社MBRの仮説は,「治る患者さんでも、多くの場合、手術、放射線療法後に『微小転移』が、また化学療法後にわずかな『耐性細胞』が残ることは不可避であり、それらは免疫的に排除されている」ということです。もしそうであれば、既存の治療法に「免疫力強化」をプラスすることは、治癒率向上のために極めて有効な手段になります。



(3)BCG-CWSの作用機序(明らかになってきた作用機序)

 BCG-CWSは1970年代から基礎研究が行われ、癌の免疫療法剤として臨床研究も行われて来ましたが、これまでその作用機序は必ずしも明らかになっていた訳ではなく、長い間BCG-CWSの作用は自然免疫を利用した非特異的免疫療法であると漠然と考えられていました。


    がん特異的免疫反応だったBCG-CWSの効果

 1990年代半ば以降、Toll様レセプター(TLR)や樹状細胞に関連する研究が精力的に行われた結果、自然免疫と適応免疫の連携による強力な免疫監視の仕組みが明らかになり、免疫学の研究に大きな進展がもたらされました。最近、BCG-CWSはTLR2 agonist活性を有することが明らかになり、「自然免疫系を活性化することにより適応免疫系の腫瘍特異的免疫反応を誘導し、その結果「がん」を免疫的に排除する」という、まさに最近の免疫科学の進歩で明らかになった機序そのものによりその効果を示していると考えることができるようになりました。cytotoxic T cell(CTL)が適正かつ最大限に活性化された場合には進行がんや大きな腫瘍塊となったがんであっても消失し治癒することがあるという臨床研究結果を十分説明しうると考えられます。

≪SMP-105の作用メカニズム仮説≫


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(4)SMP-105の臨床開発計画

1970年代から実施されてきたBCG-CWSの臨床研究は計画的に実施された試験ではないためにエビデンスとしては限界があるものの、実地医療の中で確かな手応えが得られていることも事実です。

これまでの臨床研究では小細胞肺がん、急性骨髄性白血病、頭頸部がん、卵巣がん等で良好な臨床成績が報告されています(⇒公表文献リスト)。 今後(株)MBRではSMP-105を使ってそれらの効果を臨床試験の場で確認、証明し、医薬品としての承認を早期に取得する計画ですが、適応を限定し比較的少数例で短期間に明確な臨床効果を示すことは可能と考えています。




(5)SMP-105のアドバンテージ

他のがん免疫療法剤と比較してSMP-105(BCG-CWS)は以下の点において優位であると考えています。

1) 3,000例を超える臨床での使用実績があります。 
<安全性> 投与部位の炎症反応、発熱を除いて安全性には問題はないと思われます。
<効果>  適応を限定し、比較的少数例で、短期間に明確な臨床効果を示すことは可能であると考えています。
SMP-105は結核予防ワクチンや表在性膀胱がん治療剤として使われているBCG(Mycobacterium bovis-Bacillus Calmette-Guerin)の細胞壁骨格成分(Cell Wall Skeleton)です。
2) IFN-γは治療におけるバイオマーカーとして使うことが可能です。 

3) ヒトとラット・マウスの免疫機構には大きな種差があるため、動物データから免疫療法剤のヒトでの効果・安全性を予見することは必ずしも容易ではありません。従って、すでにヒトでの効果、安全性が確認できている点、SMP-105に優位性があります。 
がん免疫療法は免疫機構を活性化しがん細胞を排除しますが、まちがって免疫機構を活性化すると自己の正常細胞を攻撃、排除するようになり自己免疫疾患を誘発するという懸念があります。その点、BCG-CWSは臨床研究ですでに多くの患者に投与されその安全性が確認されています。
4) 結核菌感染防御においては、MHC拘束性T細胞が抗原ペプチドを認識し感染細胞を傷害することで感染制御していますが、最近、CD1拘束性T細胞が脂質抗原を認識し感染細胞を傷害することで感染制御する機構が存在し、自然免疫系、適応免疫系の両者に対して防御免疫を強める働きをしていることが明らかになってきています。 
BCG-CWSの持つ脂質抗原がBCG-CWSの高い臨床効果に深く関与している可能性があり、今後大学等の研究機関や他のベンチャー企業とも協力し、脂質抗原の役割などについても解明していきます。


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